こんにちは、中年お父さん兼ギターボーカル兼リペアマン兼トーンラボ代表の所長です。
安ギターのリメイク方法も、ある程度答えが見えてきた中、前回、寄せ集めパーツで製作したキメラギター、
その名も名無し01号機ですが、使っていくうち、もう少し手を加えてみたくなりましたので、
そのあたりを今回はまとめていきたいと思います。
安ギター特有のナローピッチで貧弱なブリッジを生かす方法として、
弦振動の小さいリアポジションで、太い音が出しやすいハムバッカーを使用することで、
一応は使える音(ギター)になったと思いましたが、
安ギターのもう一つの特性である、出生不明の木材と厚塗りのポリ塗装のボディを生かすには、
ピックアップを厳選して、バランスをとる必要があるように感じました。
合わせて、弦の鳴りをタイトにしたいと思い、ナットも厳選しようと思います。
前回取り付けたハムバッカーは、特段悪くはないのですが、もう少しブライトさを足したい。
今回選んだピックアップは、以前購入して大当たりだったブリッジ用ピックアップのフロント用です。
どうせ1つしかつけないので、この際、フロント用もブリッジ用も関係ありません。
フロント用の方が出力が低いという理由だけで選んでみました。
ポールピースピッチは50㎜
アジャストポールピースは、通常リアポジションではブリッジ側に来るようにマウントしますが、
これもなんとなくですが、向きを入れ替え、ネック側にくるよう配置してみました。
ピックアップを交換した時点での印象ですが、確かに狙い通りの出音になったとは思いますが、
以前、ウッドファイバー製のギターに取付けた時のようなジャキジャキ感は感じられません。
これはボディー材の特性による違いなんだろうと思います。
材は重要
シングルコイルほどの繊細さはありませんが、ノイズがないのは、弾き語りではメリットになります。
ほんの少しですが、ポールピースを調整しました。
次にナットです。
数ある素材の中から、今回はブラス製のものを選択しました。
サドルもブラス製
加工の手間はありますが、それに見合うだけの繊細さと迫力が得られます。
コードを弾いた時のシャラーンとした感じは、いやはやなんとも病みつきになります。
どうでしょう、ぱっと見は何の変化もありませんが、実際弾いてみると、別のギターかと見誤るくらい変わりました。
ナットは出音を決める重要なパーツで、改造における費用対効果が最も感じられる部分ではないでしょうか。
ピックアップ交換は、ギターの音響特性の影響を受け、こと安ギターにおいては、違いは感じにくい印象です。
ただ、ナットやほかのパーツも合わせて交換することで、いくらか違いがわかるくらいにはなりました。
今回、私的には、一つの完成形にたどり着いたような感じがします。
ギターの個性を形どるのは、それぞれのパーツの組み合わせ(相性)が重要なんだと思いました。
同じスペックであっても、使用されている材料や、仕様によっては、全然別の、違った印象になるのかもしれません。
また機会がありましたら、別の個体でも試してみようと思います。
つづく。
追伸
今回紹介しました改造は、主観的解釈に基づくもので、どなたにでも満足いただける改造とは限りません。
たとえ安ギターと言えども、改造はあくまで自己責任の範疇で。ペコリ
追追伸
ナットをブラス材に変えたことで、摩擦がなくなったのか、
押弦した際の抵抗感が改善されました。キラリ
こうなるともう少し太いゲージの弦も試したくなりますね。
弦を変えて、ブロックを変えて ・ ・ ・ 汗
※今回使用したパーツ達
取付には加工が必要