エントリーモデルといえど、色々なメーカー、ブランドがありますが、中古市場、それもジャンク品となると、
メーカー、ブランドに関係なく、大体同じくらいの相場観で査定されていることが多いです。
その中には、時折お宝と思えるような品が介在していることも・・・。
今回、紹介しますこのギター、フェルナンデスLE-1Z_sshと分類しているギターです。
Tone Lab ライブラリーより
国内ギターのトップメーカーであり、ブランドでもあるフェルナンデスのエントリーモデルです。
ストラップピンの欠損、電装系にガリがあるとのことで、ジャンク品に仕分けされていました。
弦が張って無い状態でしたので、ちょっと怪しい雰囲気ではありましたが、
フェルナンデスのギターが破格の価格でしたので、入手させていただきました(ペコリ)
このクラスのモデルは、球数があるのか、結構中古市場で見受けられます。
仕様も何パターンかあり、それぞれ似ているようで、どこかしら違いがあります。
私が入手したこのモデル、特徴は、ぱっと見で分かる細身のヘッドストック。
見るからに軽そうですが、このヘッドにペグはクルーソンタイプが使われています。
安ギターにクルーソンタイプが使われている事自体、稀ではありますが、そこはメーカーのこだわりなのかもしれません。
それとボディ、厚みがスリムボディで、実測40㎜と薄くなっています。
トレモロユニットのブロックもショートタイプになっています。
弦間はナローピッチ
厚みが薄くなっていることの理由は、仕入の都合なのか、はたまた軽量化が目的なのか、想像するに難いですが、
この個体に関しましては、ボディ材はバスウッド(3ピース)なんですが、ずっしりと重い印象です。
メーカースペックはアルダーなんだが・・
随所に軽量化を図っているにもかかわらず、この感じはちょっと違和感があります。
総重量で 3.4kg。
ストラトとしては、平均的かと思いますが、この薄いボディに、どんなからくりがあるのかは分かりません。
重い個体もあるのだよ
ピックアップの構成はSSH。
ポールピースの間隔は、フロント50㎜、センター52㎜、リア52㎜で、シングルコイルはポールピースの高さが不揃いで(フロントとセンターでも違う)、ハムバッカーは、高さ調節が出来ないタイプです。
木工の加工や塗装の仕上げは素晴らしく、made in chainaですが、しっかりと品質管理されている印象を受けます。
一通りクリーニングしてから弦を貼ってみました。
組付け精度に問題はなく、ネックの反りも許容範囲でした。
ほっ
出音ですが、シングルとハムの出力差は画然として、高さ調節してもバランスは取れません。
ピックアップに関しては、割り切った使い方を想定しているのかもしれません。
ただ、このシングルピックアップ、かなりいいかも(ニヤリ)
全体的に軽いパーツを採用してあり、塗装ももしかしたら割と薄塗りなのか、比較的ギターの個性が
感じられるギターです。音作りはリアハム中心のギターなのかと思っていましたが、
いやいやこれはシングルピックアップのギターですよ。
特にフロントピックアップ。以前より、安ギターのフロントピックアップは使いずらいと感じていましたが、
ちょっと概念が変わりましたね。
ピックアップの特性だと思いますが、弾き語りでコードをガシャガシャ弾いても、使いやすい。
どこか控えめで、ひびきに立体感のあるような・・・。
各弦の出力をポールピースの高さで、意図的に整えているからでしょうか。
今回も、これはいい素材に巡り合いました。
このタイプのギターは、年代によって細かい仕様の違いがあるので、一概に正解とは言いきれませんが、
今回紹介したこのギターは、おススメできる1本ではないでしょうか。
私的には、このギターにハムバッカーは合わないと感じたので、もともとあるシングルピックアップを
生かす形で、今後改造してみようと思います。乞うご期待(ペコリ)
フェルナンデス、
それは陽気でノリが良く、様々な表情を併せ持つ、情熱的で魅力にあふれたギター。
ギターキッズの青春そのもの。
おしまい。
追伸
仕様により、ヘッドの形、ストリングガイド、ペグのシャフト、ピックアップ、ボディ厚などに違いがあります。
現行品は現在も販売中です。
追追伸
「フェルナンデス」破産へ (2024年07月13日 16時38分)
国産エレキギターメーカーの「フェルナンデス」(埼玉県戸田市)が、自己破産を申請したと発表した。東京商工リサーチによると、負債総額は4億3389万円。
・・・。