『お父さーん、玄関に包みが届いているわよー。』
『何ぃ~、おもちゃ~?』
毎回恒例になりつつある、平和な日常の、置き配をめぐる一場面。
決まって私が手配した安ギター用のパーツですが、海の向こうからのお届け物は、
到着予定日がまちまちで、どこかしらサプライズ感が伴います。
今や当たり前になりつつある置き配は、特にトラブルもなく、
ネット通販は海外製品をも、身近にしてくれました。

もはや生活の一部
前置きが長くなりましたが、フェルナンデスFGZ-400用に手配しましたバードインレイのネックが、
晴れて手元に届きました。

これまで何度か買ってみた中華製ネックでの経験(苦労)はどこへやら、
製品への期待と購入の気軽さで、思わずポチってしまったこのネック、いざ開封してみていくとします。

破格の割に、製品のベースはしっかりしているものの、やはりDIYが前提の商品で、そのままでは使用できません。
今回、手を入れたのは、フレットの浮きの補正とすり合わせ、指板のメンテ、ヘッドストック表面の
面だしと塗装、ネックエンドの整形、それとセットアップ後のナットの溝切りです。
フレットの浮きは輸送中の振動で浮いてきたのか、ただ単に打ち込み不足なのかは
想像するに難いですが、このネック、指板には圧縮木材が使用されています。
最近は安ギターの指板材として、エンジニアリングウッドなる人口木が使われていることは
聞き及んでいましたが、またそれとも違う素材のようです。
建材や家具の分野では普及している材のようですが、果たして指板材のマテリアルとして、
使用に適しているのかどうかは、まだまだ分からないですね。
そのほかの特徴は、ヘッドストック。
スカーフジョイントで角度を振った特徴的なヘッドストックは、非対称の形状で、
ペグ用の下穴は、実測10.5㎜、配置は微妙にズレがあり左右対称ではありません。

個体差か?!
ナットは天然素材。
バードインレイは、どこかしらディテールがゆるいですが、仕上げは上々です。
肝心のスケールですが、ロングスケール(25 1/2インチ)で間違いありません。
ネックエンドは、テレキャスターのネックと同じ形状で加工されています。

テレキャスター用?!
いずれにしましても、このギターにインストールするには、まだまだ時間がかかりそうです。トホホ







ようやく使用に耐えるところまで仕上げることができましたので、さっそく組んでみましょう。
ネックポケットは、幸いドンピシャに納まってくれましたので、スケール長と弦高を確認して、そのまま固定します。
弦を張り、取付芯に問題はなく、反りもありません。
ピッチも正確ですが、ナットはフレットを削った分、溝を掘り下げる必要がありました。


どうでしょう。
想像以上の仕上がりではないでしょうか。
音に関しては、これまでの年代物のネックに比べ、まだまだ若い印象は否めませんが、
見た目はバッチし、ぱっと見はハイエンドギターのような佇まいではないでしょうか。

自己満足も甚だしい


今回も、手間はかかりましたが、うまくいきました。
ネックに限ったことではありませんが、安いものは、安いなり。何かしらの理由があります。
安い価格のネックは、仕上げ途中だから安いのでしょう。

もしくは規格の不良品
その後の手間を加味すると、それ相応の値段になるのは納得がいきます。
いずれにしましても、ギターが再生したことに限って言えば、とても満足感が得られました。

特に今回は格別
元が安ギター故、ギターとしての価値は図れませんが、
しばらく使ってみて、問題が無いようなら、市場に返して行きたいと思います。
おしまい。

追伸
2回に渡り投稿しました ”ネックを買ってみた” の記事は、今回私が購入した個体(ネック)をもとに執筆しています。
ネックエンドの幅が商品説明と違っていたりと、個体差?!と思われる違い(バラつき)も、
もしかしたらあるのかもしれません。
すべてのギターに互換性があるわけではありませんので、ご購入の際は、細心の注意の上、
お願いいたします。

加工は必須
※今回使用したネック(Delivery from China)
