安ギター市場では、人気の薄いモデルは、そのクオリティとは裏腹に、結構投げ売りされている事もままあります。
特段使用感が濃いわけでもなく、また何かしらのトラブルがあるわけでもないのに、
ただ単に需要と供給のバランスで、売れ残ってしまった個体。
実はそのような個体の中には、とんでもないお宝が眠っていることも、あるような、無いような・・・。
今回、紹介しますこのギター、 フェルナンデス FGZ-400と分類しているギターです。
Tone Lab ライブラリーより
今は無き、国内ギターのトップメーカーであり、ブランドでもあるフェルナンデスが手がけたギターです。
このギターを安ギターのくくりで紹介するのは、幾ばくかはばかれる思いですが、
安く手に入れたので、この際よしとしましょう。
この個体、長期保管されていたのか、全体的に汚れていて、スイッチのつまみ、ボリュームのノブ、
裏ブタが欠品していると言う事で、ジャンク品に分類されていました。
持ち帰って詳細を確認したところ、ブリッジのスタッドも抜けかけていることが分かりました。
ピックアップは3つとも正常で、ネックもパーツも問題なく使用でききる状態です。
早速クリーニングをし、欠品していたパーツをありあわせで補い、整えてみました。
ブリッジは、スタッドボルトの2点支持ですが、スタッドアンカーが6㎜と細く、
木の乾燥も相まり、抜け出してきたのだと思います。
幸い以前に購入した2点支持のブリッジがありましたので、アンカーを10㎜にサイズアップして、
ブリッジごと交換しました。
いかがでしょう、現代でも十分通用するたたずまいではないでしょうか。
元の作りがとてもよく、ピックアップ、ハードウェアはゴトー製と、国産パーツが使われています。
30年位前に造られたギターですから、へたったところは、当然ある訳ですが、
そこを補うだけでも、この先何年も使用に耐えれるだけのポテンシャルがこのギターにはありました。
古き良き時代に製造された、正しい材料を、正しい加工と、正しい組み合わせで造られたギターは、
見た目の好みはさておき、品物としての価値に疑いの余地はない、のではないでしょうか。
そーだ
低価格帯のラインナップですが、その完成度は高く、手を加えるところはありません。
使えば使うほど、愛着の深まる1本に違いありません。
おしまい。
※今回使用したパーツたち
ブロックはスチール製で豊かな鳴りが得られます